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どうも皆さん、はりおうです。
今回は、ECWCS第3世代(上半身のウェア)を紹介しようと思います。
【ECWCSとは?】
ECWCS(極寒冷地被服システム=Extended Cold Weather Clothing System)の略称。
以前の米軍被服システムは、BDU(BATTLE DRESS UNIFORM)を基準にインナーやアウターを重ね着し、様々な気候に対応していました。
近年では、気候に応じレベル1からレベル7に分け、それらを組み合わせるレイヤリングシステムに移行しています。
【レイヤリングシステムとは?】
レベル1〜7までのレイヤリング(重ね着)構造を持ち、-46度から4度までの低温環境に対応する為に開発されました。
ECWCS GEN3シリーズは、7種類のトップスと5種類のボトムから構成され、レイヤリング(重ね着)をすることによって様々な気候やシチュエーションで快適に活動することが出来ます。
【GEN(世代)での特徴】
■第1世代1980年代に誕生。
上下被服のセットを1つのレイヤーとしてまとめたものを5つ設定し、気温に合わせて薄手のものから順番に重ね着することで対応する。
■第2世代2006年頃に誕生。
特に変更点は無いが、第2世代で初めてフリースジャケットが採用される。
■第3世代2008年頃に誕生。
レベルという分類をした上半身7種類(アンダーシャツ2種、ジャケット4種、パーカ1種)・下半身5種類(ズボン下2種、ズボン2種、オーバーパンツ1種)を組み合わせたシステムとなっている。
今回は第3世代のトップス類を紹介します。
LEVEL1
■ベースレイヤー
■特徴
レイヤリングをする上で重要で基本となるベースレイヤー。
ベースレイヤーが汗で濡れてしまうと、いくら上から重ね着をしても体温は奪われ続けます。その為LEVEL1 は汗を素早く吸汗、蒸発させ湿気をコントロールする薄くてサラサラとした肌触りの素材を使用しています。
袖にはサムホールが付き、レイヤリング(重ね着)の時に指を入れて重ね着する事で、袖口のもたつきを無くしスムーズにレイヤリングが可能です。
LEVEL2
■カットソー
■特徴
通気性のよいグリッドフリース素材を使用したカットソー。
軽量で暖かく、蒸れにくい素材を採用、高い通気性で汗ムレを防ぐことが出来ます。
蒸れにくい素材ですが、繊維の微起毛が空気の断熱層をつくり、保温性にも優れており防寒性も高いです。
プルオーバータイプなので、寒い時はジップを先端まで閉める事で、首周りをしっかりと覆い、冷気の侵入を防ぐことも可能。
LEVEL1同様に袖にはサムホールが付き、レイヤリング(重ね着)の時に指を入れて重ね着する事で、袖口のもたつきを無くしスムーズにレイヤリングが可能です。
LEVEL3
■フリースジャケット
■特徴
第2世代から採用されたフリースジャケット、軽量かつコンパクトで毛足が長いので保温性も高いジャケットです。
LEVEL5のソフトシェルや、Level 6のハードシェルとの組み合わせることで、様々な環境下での対応を可能とする。
両肩と両肘と襟の一部にポリエステルンの当て布が縫製され、強度の補強がされている事で肘をつく作業、リュックやバッグを持つシチュエーションでもフリースが傷まないように工夫されている。
LEVEL4
■ウィンドジャケット
■特徴
軽量かつ高い撥水性と耐久性を持ち合わせたナイロン素材を使用したウィンドジャケット。
小さくたためるので持ち運びにも便利なアイテムです。
両サイド胸部のポケット内部はメッシュ素材になっており、ベンチレーション(通気)機能も完備している。
LEVEL5
■ソフトシェルジャケット
■特徴
ソフトシェルジャケットとは、完全防水ではないが雨ならはじいてくれ、防寒着としての機能も持ち合わせているジャケットです。
オールマイティーに使用出来るLEVELシリーズで最も使用されるメインアウターです。
フロント、ポケットともに止水ジッパーが使われており、各部のパーツも動きやすさに配慮したカッティングが施されています。
襟にはフードが内蔵されています。
LEVEL6
■ハードシェルジャケット
■特徴
ハードシェルジャケットとは、防水性の高い素材を使用したジャケットで雨や風から身を守る為のジャケットです。
このLEVEL6は主にソフトシェルやインナージャケットの上に着る為の防水ジャケットである。
主に透湿防水素材(GORE-TEXなど)を使用しており、『内部に溜まった湿気は外に排出し、外部からの水は中に通さない』性質を持った素材を使用しています。
雪の斜面で滑り落ちた場合、生地の表面がなめらかだとすべってしまう為、ザラザラした生地を使用しており、雪との間に摩擦を生むことで落ちる勢いを軽減させる効果を持つ。
縫製部分の裏側には全てシームテープが施された完全防水仕様で、フロント左右のポケットには袋布が付いておらず、インナーに直接アクセスできるスルーポケットになっています。
LEVEL7
■シェルジャケット(マシュマロスーツ)
■特徴
Level 7はレイヤリング最終防寒アウターであり、軽量で、速乾性、防水性、柔軟性にすぐれた高性能のアウターシェルに、ダウンの約8倍の暖かさがあると言われているプリマロフトを採用している。
防風&防水透湿機能・耐久性のある機能素材 milliken(ミリケン) を使用しているので、コーティングが剥れる事が無く、汚れで防水透湿性が低下しても洗濯により機能を取り戻すことが可能となっている。
あまりの着心地の良さから、陸軍はマシュマロスーツ、海軍ではハッピースーツと呼称されます。
LEVEL7 バリエーション
■ベスト
■特徴
LEVEL7のベストタイプ。
■シェルジャケット(モンスターパーカー)
■特徴
装備の上から羽織れるように大きくゆったりした作りとなっており、背面が長いロング丈仕様になっているジャケット。
今回は、ECWCS第3世代 (上半身ウェア)を紹介させていただきました。
次回もお楽しみに!
ではでは!
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